日本機械学会賞(技術)受賞

 当社が参画した「エネルギー・産業基盤災害対応のための消防ロボットシステムの研究開発」プロジェクト(以下、「本プロジェクト」)により開発された消防ロボットシステム「スクラムフォース」(以下、「本システム」)が2022年度機械学会賞(技術)を受賞しました。同賞は、機械工業に関する新技術で画期的な新製品の開発、製品の品質または性能の向上あるいは生産の向上に寄与し、経済および社会的貢献の大きい技術を評価するものです。

  本プロジェクトは、今後発生が懸念されている巨大地震等によって発生した火災現場で消火活動を行う目的で2014年度に発足し、総務省消防庁消防研究センター、三菱重工業、東北大学を中心に当社を含め6団体が参加しました。

【受賞概要】

受賞:日本機械学会賞(技術)

受賞対象:「石油コンビナート等の大規模火災に対応可能な消防ロボットシステム」

受賞代表者:三菱重工業株式会社、総務省消防庁消防研究センター、東北大学

【技術概要】

本システムは、飛行型偵察・監視ロボット、走行型偵察・監視ロボット、走行型放水砲ロボット、走行型ホース延長ロボットおよび指令システムとで構成されており、それら全てを専用のロボット搬送車輌1台に搭載して現場へ出動します。ロボット自身が判断して行動する自律技術、ロボットが相互に情報交換し活動する協調連携技術、大規模な火災に対応可能な耐輻射熱技術を活用し、消防隊員が現場に近付けない状況において災害の拡大を抑制します。

 本システムのうち、飛行型偵察・監視ロボット「スカイ・アイ」は、当社の独自技術である耐風性能の高い同軸二重反転機構を採用し、防滴・防塵・輻射熱対策を施した耐候性能の高い専用機体です。GPS(全地球測位システム)を搭載しグランドコントロールステーション(GCS)を用いた自動飛行を可能にしました。上空から可視画像・熱画像・輻射熱量・可燃ガス濃度・風向・風速の各種データを取得して指令システムに伝送し、地上にある他の走行型ロボットと連携して消火活動にあたります。

 引き続き安心して安全に運用できる国産ドローンを作り価値の高い空間を追求し、人の未来を拓いて参ります。