AileLinXは、飛行型偵察・監視ロボット（無人航空機）を開発しました。本飛行型ロボットは、石油コンビナートでの火災等の消防隊員が近づくのに困難な大規模災害現場で、上空から災害状況を偵察・監視し地上に情報を伝送することで、消火活動を効果的に行うことに貢献します。

　当社は、総務省消防庁消防大学校消防研究センターが2014年度から5年計画で進めている「エネルギー・産業基盤災害対応のための消防ロボットシステムの研究開発」プロジェクトに参画し、本飛行型ロボットの開発を担当しました。この度、研究開発の成果として実践配備型ロボットシステムが完成し、2019年3月22日、消防庁消防大学校消防研究センター（東京都調布市）において、同ロボットシステムの特長や性能を紹介する実演公開が実施されました。 消防ロボットシステムは、飛行型偵察・監視ロボット、走行型偵察・監視ロボット、走行型放水砲ロボット、走行型ホース延長ロボットおよび指令システムとで構成されており、それら全てを専用のロボット搬送車輌1台に搭載して現場へ出動します。ロボット自身が判断して行動する自律技術、ロボット相互に情報交換し活動する協調連携技術、大規模な火災に対応可能な耐輻射熱技術を活用し、消防隊員が現場に近付けない状況において災害の拡大を抑制します。今後発生が懸念されている巨大地震等での災害に対応することを想定し開発されました。

　同ロボットシステムのうち、飛行型偵察・監視ロボットは、当社の独自技術である耐風性能の高い同軸二重反転機構を採用し、防滴・防塵・輻射熱対策を施した対候性能の高い専用機体です。GPS（全地球測位システム）を搭載しグランドコントロールステーション（GCS）を用いた自動飛行を可能にしました。上空から可視画像・熱画像・輻射熱量・可燃ガス濃度・風向・風速の各種データを取得して指令システムに伝送し、地上にある他の走行型ロボットと連携して消火活動にあたります。

AileLinXは今後も、人と空の安全に貢献するため、無人航空機関連技術の開発に尽力していきます。

飛行型偵察・監視ロボットの主な仕様

寸法（外形）：	長さ（飛行時）2,500 mm（車両搭載時）1,805 mm、幅500 mm、高さ1,043 mm
最大離陸重量：	69 kg
動力源：	リチウムポリマーバッテリ
最大飛行可能時間：	13 分
飛行可能風速：	12 m/s
防水・防塵性能：	IP33相当
耐輻射熱性能：	8 kW/㎡以下
取得可能データ：	可視画像、熱画像、輻射熱量、可燃ガス濃度、風向・風速
機能性能：	地図上の指定位置を自動飛行、上空からの取得データを指令システムに伝送